多摩地区在住。20代後半。女性。三多摩エリアを中心に活動するフォトグラファー。撮影機材が多いので車移動が基本。彼と始める二人暮らし部屋をお探し中。
不動産屋がこのプロフィールから推測して導き出すオススメ物件は「彼女の利便性を第一にしつつも彼の勤務地にもアクセスがいい、三多摩エリアの駐車場付き築浅ファミリー物件。結婚前提の同棲開始だものっ!」というのが妥当な線ですが、現実は小説より奇なり(えっ、小説ってなんのこと? ※2回目)。彼女が入居を検討したいと内見に訪れた部屋は「現在の仕事場から20km。渋滞なしでも車で約1時間ところにある、築40年(当時)の軽量鉄骨造2階建てアパートの一室」でした。
通勤圏外にもかかわらず、どうしても実物を見たくなってしまったという彼女。そして、実際に内見して、すっかり気に入ってしまった彼女。「物件愛さえあれば、距離なんてっ!」と入居の申込みをいただきました。
しかし翌日、キャンセルの連絡が。「ためしに通勤時間帯に車で淵野辺から仕事場まで向かってみたのですが、結構遠くて……。三多摩エリアに東郊住宅社さんが手掛けたリノベーション物件はありませんか?」
もちろんキャンセル自体は残念なことでしたが、予想もしなかった後半のくだりに舞い上がりつつ、そこまで真剣にこの富士見ハイツ101で繰り広げられる新生活を検討していただいたことに、スタッフ一同、万感の思いで泣きそうになってしまいました。
そもそもが活動エリア外の物件なのに「この部屋があるから淵野辺に住んでもいいかも」と検討していただけたことや、リノベーションの質を高く評価していただけたことも当然うれしかったのですが、つくり手として、もう一つうれしいポイントがありました。
この富士見ハイツ101は「こういう人に気に入ってもらえたらうれしいな」という想定入居者像を具体的な2タイプに絞った上で「その人の毎日の暮らしがもっと楽しいものになりますように!」というメッセージを込めたデザインに仕立てたのですが、その一つの入居者像がまさに彼女そのもの、『パートナーと新生活を始めるカップル』だったからです。
さて、実はこのときすでに『もう一つのタイプの想定入居者像』との鳥肌体験は伝説となっていたわけですが、……それはまた、別の話。