平安時代の歌人 紀貫之は古今和歌集『仮名序』の中で和歌の本質を「花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける(鶯だって、蛙だって、生きているものはみんな歌を詠んでるよね ※雑な意訳)」と論じてましたね?(そーですね!)
……ということで、リノベーションの本質は「現状の部屋を構成してるものはみんなその部屋を成す要素だ(全部排除するのは違うよね、新築じゃないんだから ※超意訳)」ということを実感する出来事がありました。「JR横浜線淵野辺駅から徒歩12分のところにある、築21年(当時)の木造2階建てアパートの一室」でのことでした。
このiJハウス北というアパートは外壁が『サムライブルー』ならぬ『ドラえもんブルー』と特徴的な仕上がりなのに、居室内はしっとり大人なビターチョコ色が基調でした。この「室内外のバランス」が今回のリノベーションの方向性を決定付ける最重要課題でした。
そこで、「物件自体が持つ特徴(外壁の色)」と「iJハウス北のオーナーさんの持つ特長」を最大限に活かして、ポップでファンキーなイメージを付していくことに決定。方向性の軸となるiJハウス北のイメージカラーを『ドラえもんブルー×ビビットイエロー』とすることとなりました。
こちらは余談ですが、外壁の『ドラえもんブルー』を眺めるたびに「青は藍より出でて藍より青し」という荀子の言葉が思い出されました。単純に青つながりということもあるのですが、オーナーさんの力になりたいという思いを一層強くする瞬間でした。
さて、そろそろ「iJハウス北のオーナーさんの持つ特長」のことが気になってきてくれてるかなと期待してるわけですが、……それはまた、別の話。